クローン病と食事:7年間でわかった“制限しすぎない距離感”
クローン病の確定診断を受けたあと、最初に悩んだのは「何をどこまで制限すればいいのか分からない」ということでした。
SNSやブログで調べてみると、人によって食べられる物・食べられない物にかなり差があることがすぐに分かりました。
冷たいジュースだけで体調を崩す人もいれば、ジャンクフードを食べてもまったく平気な人もいる。
「これだけは避けるべき」という絶対的なルールはなく、それぞれが自分の体と相談しながら、手探りでやっている印象でした。
退院後しばらくは体調もまだ不安定で、あれこれ試す余裕もなく、
おかゆ・豆腐・うどんなど、できるだけ負担の少ない食事だけを摂っていました。
初めてアイスを食べたのは、なんと確定診断から2年後のこと。
その後お腹を壊したかどうかは正直覚えていませんが、それよりも「食べられた!」という喜びの方が強く残っています。
そして確定診断から3年後、ついに焼き肉チャレンジを決行。
腹六分目くらいから嫌な汗が出始め、帰り道はすべてのトイレに立ち寄ったんじゃないかというくらい、途中下車の連続(笑)。
とはいえ、意外だったのは、脂質が多そうなホルモンはわりと大丈夫だったこと。
このあたりから、「あれ、意外とイケるかも?」と感じ始めました。
試行錯誤しながら、「これは合わないな」「これは意外と大丈夫だな」という感覚が少しずつわかってきて、
週末のジャンクフードや、外食もたまには楽しめるようになりました。
そして、診断から7年が経った今。
さすがに遠出している時は慎重になりますが、普段の生活では、ラーメンやジャンクフードも気兼ねなく食べられるようになっています。
振り返ってみると、自分はクローン病の中でも食事による症状の悪化が軽い方なのかもしれません。
もちろん油断はできませんが、「一生ずっと食べたいものを我慢しなきゃ」と思っていた頃よりは、かなり気持ちも楽になりました。
…とはいえ、**年に一度くらいは「外食で失敗する日」**もあります。
とくに、揚げ物や油っぽい料理のにおいがきついお店では、食べる前から気分が悪くなり、
注文しても一口だけで箸を置いてしまったり、そのまま退店したことも何度か。
ハンバーガー屋さんの油のにおいが特にダメなことが多くて、そういう日は「あ、今日はダメな日かもな」と体が教えてくれます。
クローン病の食事管理は「正解」がないからこそ、自分の体と対話しながら、少しずつ“自分だけのやり方”を見つけていくしかありません。
もしこの記事を読んでくれている方が、「もう一生好きなものが食べられない」と感じているとしたら、
無理のない範囲で少しずつ試してみるのも、ひとつの選択肢だと思います。
体調と相談しながら、できる範囲で楽しむ食事――
それが、私なりのクローン病との付き合い方です。